著: | 増井 伸高(札幌東徳洲会病院救急科) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 190頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2020年04月29日 |
ISBN: | 978-4-7849-6244-0 |
版数: | 第2版 |
付録: | 連動動画および無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
●著者の大人気セミナーの"公式"副読本!
●『脳卒中治療ガイドライン2015〔追補2019〕』『頭部外傷治療・管理のガイドライン』はじめ,神経救急領域の重要事項アップデートに対応。
●非専門医も知っておきたい「wake up strokeへの対応」「抗凝固薬の拮抗」「血管内治療の適応」もばっちりわかります!
●巻末袋綴じのシリアルナンバーで、PC、スマホなど機種を選ばずどこでも読める電子版がご利用頂けます。
●関連動画https://www.jmedj.co.jp/premium/neuroemer02/data/0000/は、無料会員登録https://www.jmedj.co.jp/regist/でログインした状態でご覧頂けます。
Part 1 画像に頼らない,明日から使えるめまい診察伝授
1 めまい診療が難しい理由は?
─MRI感度は50%未満,さらには診断学が使えないから
2 身体所見“だけ”で診断できるBPPVとクプラ結石
─動画を使い,独特の診察法を完全マスター
3 前庭神経炎vs中枢性めまい その1
─強いめまいは眼振だけでマネジメントする
4 前庭神経炎vs中枢性めまい その2
─HINTSは3つあるため,実はけっこう使えない
5 中枢性めまいを見つけるための神経所見
─四肢の運動失調・構音障害・歩行障害の評価にはコツがある
Part 2 軽症頭部・頸部外傷CT いつ撮るの?撮らないの?
1 成人頭部外傷のCT適応
─世界のCTルールと日本のCT台数・保険診療の合わせ技で判断する
2 小児頭部外傷のCT適応
─米国発のPECARNを,さらに日本版診療に落とし込む方法
3 誰も教えてくれなかった脳震盪診療
─集まりつつあるエビデンスをもとに具体的なアドバイスを提示
4 成人・小児頸椎外傷のCT適応
─国外のデータと国内の事情から頸椎CTの適応を検討する
Part 3 こんなときは何点?─?NIHSSのトラブルシューター
1 非専門医がNIHSSをスマートにとるコツ
─オペラ式で3ブロックにわければストレス半減
2 失語患者のNIHSS
─50%はパントマイムで乗り切る
3 意識障害患者のNIHSS
─昏睡であれば約半分の項目が2点
Part 4 脳卒中の画像診断 その身体所見と画像所見シンクロしていますか?
1 症状からみる脳卒中画像診断:1
─ピンポイントで画像予測:塗り絵式勉強法<麻痺編>
2 症状からみる脳卒中画像診断:2
─ピンポイントで画像予測:塗り絵式勉強法<しびれ・失語編>
3 時間からみる脳卒中画像診断
─CT・MRIから脳卒中の発症時間を予測する
Part 5 ERから専門医へつなぐ脳卒中の治療 ここまでできれば免許皆伝
1 神経救急の血圧コントロール
─各病態で違う専門医到着前の血圧目標値
2 非脳外科医が知るべき手術適応
─開頭術の絶対適応と話題の血管内治療
3 脳梗塞コンサルト前の患者評価
─脳卒中医と対等に話すためのスコアリング方法
4 脳梗塞の抗凝固・抗血小板薬治療
─ これで非専門医でも脳梗塞処方ができる
コラム
末梢性めまいが3疾患でOKな理由
フレンツェル眼鏡を病院で新規購入する方法
EBMの時代からYBMの時代へ
めまいの処方薬はグリーンピース
スコアリングを堂々とカンニングする方法
競技場での脳震盪診断
NIHSSの“セブンイレブンルール”
ラクナ梗塞より悪いBAD
秘技伝授!!脳卒中の電話コンサルト方法
ニカルジピン降圧に背徳感を感じるか?
脳外科医にフォローアップCTを指示されたら
脳梗塞アウトカムは生存率だけでなく神経予後を見よう
どうやって発作性心房細動がないと判断するか?
第2版に寄せて
─第1版を既に購入し買い替えを考えた読者諸兄へ─
非専門医に必要な神経救急についてアップデート(2018〜2019年の間)を行っていれば,第2版の購入の必要はありません。
冒頭ページで,こうしたネガティブキャンペーンの記載は通常タブーです。序文は書籍の広告塔。「購入の必要はありません」とは言語道断でしょう。しかし,前版と何が変わったのか,これこそ読者が一番知りたいこと。だから,あえて明記しました。ユーザーフレンドリーであることを目指し,正直に吐露致します。
具体的な変更箇所には,目次に「更新」と記しました。Part 2〜5にかけ修正・追記しましたのでご確認下さい。一方で「Part 1めまい」は変更していません。これは第1版(2018年5月末)〜第2版(2020年1月)の期間で改訂が必要な新しい文献はなかったためです。
既に第1版をお持ちの方は,パラパラと上記の変更点のページをめくり「アップデートは知っている内容だ」と思われれば,買い直す必要はありません。筆者自身も,書籍の第2版を購入するかどうかは,そのように決定しています。
一方で,非専門医ゆえに,今回のアップデートが未実施の読者もいるかもしれません。自分で文献やガイドラインを読み解くのは大変です。その労を4,200円(+税)で買うというのは「あり」かもしれません。
さらに,「読むのも面倒だ!」という方のため,約2年間の変更点を40分弱の動画にまとめました(目次参照)。日々の業務に忙殺されている方は,一人ランチョンセミナー形式で昼食休憩中に最低限のアップデートをすることも可能です。
個人的には第1版の購入者限定で,第2版のアップデートをワンコインで実践する方法を妄想しましたが,それは出版業界の継続のために不可能でした。申し訳ございません。本書に記載された約2年間のアップデートがコストパフォーマンスとして良いかは読者次第です。この点をチェックして,買う/買わないを決めて頂ければと思います。
本書を初めて手に取って下さった方へのメッセージは,次頁の「はじめに」で書きました。一方で第2版の買い替えを考慮したニーズを正直に「第2版に寄せて」として記載致します。
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
・ 100ページ 症状からみる脳卒中画像診断:1
大脳皮質運動野と内包後脚のホムンクルス の本文1行目末尾(下から9行目)
誤:「顔→手→足」 正:「足→手→顔」
(3刷にて修正済)
・ 14ページ Dix-Hallpike testで眼振が出ないとき
Dix-Hallpike testで眼振が出ないとき の1行目の本文
誤:図8③ 正:図6③
(3刷にて修正済)
・ 141ページ 表1 脳出血の手術適応,および,本文最終行
表1 「大きさ」の列
誤:3cm以上 正:31mL以上(3刷にて修正済)
本文最終行
誤:次は,外因性の出血疾患について見てみましょう(図2)。 正:次は,外因性の出血疾患について見てみましょう(Q2)。
・ 166ページ 拮抗薬の注意点
〈誤〉「まずビタミンK投与後に再度PT-INRを測定します。(測定のタイミングは病院や専門医に確認しておきます。)そしてPT-INRの値と患者体重から投与量と投与速度を決めます。計算はかなり煩雑なので,一覧表になっているものを利用すれば間違いは少ないです。」→〈正〉「まずPT-INRを測定し,その値と患者体重から決めます。煩雑な計算なので一覧表になっているものを利用することを推奨致します。」
補足説明:乾燥濃縮人プロトロンビン複合体(ケイセントラ®)の投与量を決めるINRを測定するタイミングに決まりはなく,ビタミンK(ケイツー®)の投与前でも後でもかまいません。