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下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン2019

下肢静脈瘤血管内焼灼術に関する本邦初のガイドライン

定価:2,200円
(本体2,000円+税)

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監修: 日本静脈学会
編集: 日本静脈学会ガイドライン委員会
判型: B5判
頁数: 96頁
装丁: 2色刷
発行日: 2019年07月04日
ISBN: 978-4-7849-9070-2
版数: 第1版
付録: -

〇主な内容

・下肢静脈瘤に対する血管内治療の歴史
・具体的な手技の解説:血管内レーザー焼灼術(EVLA)、高周波焼灼術(RFA)、超音波ガイド下穿刺、低濃度大量局所浸潤麻酔(TLA麻酔)
・静脈閉塞の条件
・超音波検査
・術後合併症
・クリニカルクエスチョンと推奨
 CQ1 ETAの適応は何か?
 BQ1 ETAの禁忌は何か?
 CQ2 ETAにおいて高位結紮術の併施は有用か?
 CQ3 ETAにTLA麻酔は有用か?
 FRQ1 ETA施行時に下腿の側枝静脈瘤に対する瘤切除や硬化療法の併施は有用か?
 CQ4 ETA術後の圧迫療法は有用か?

診療科: 外科 心臓血管外科

目次

序文
ガイドライン作成委員一覧
クリニカルクエスチョンと推奨一覧
略語一覧
用語の解説
本ガイドラインの構成

Ⅰ 本ガイドラインについて
1 本ガイドライン作成の背景
2 本ガイドラインの目的と利用者,対象者
3 本ガイドラインの位置付けおよび使用上の注意
4 作成資金
5 利益相反(COI)
6 作成工程
7 エビデンスの収集
8 エビデンスの強さと推奨度決定基準
9 改 訂
10 普及のための工夫

Ⅱ 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術
1 下肢静脈瘤に対する血管内治療の歴史
2 血管内レーザー焼灼術(EVLA)
3 高周波焼灼術(RFA)
4 超音波ガイド下穿刺
5 低濃度大量局所浸潤麻酔(TLA麻酔)
6 静脈閉塞の条件
7 超音波検査
8 術後合併症

Ⅲ スコープ
1 疾患トピックの基本的特徴
2 診療ガイドラインがカバーする内容に関する事項
3 システマティックレビュー(SR)に関する事項
4 推奨作成から最終化,公開までに関する事項

Ⅳ クリニカルクエスチョンと推奨

Ⅴ 一般の方向けのまとめ
1 クリニカルクエスチョン(CQ)と推奨
2 クリニカルクエスチョン(CQ)の説明とQ&A

索 引

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序文

まず,このガイドラインが多くの人の努力,討論により完成したことに敬意を表したい。2016年(平成28年)6月から準備が始まり, 元号の変わった今年2019年(令和元年)の3年がかりの完成であることには深い意味合いがある。本ガイドラインで参照されている文献を見ると,日本静脈学会をはじめ,わが国の静脈診療に関連する各学会会員の積み重ねた経験が処々に生きている。そのことから,本ガイドラインがわが国における経験に基づいたガイドラインであることをうかがい知ることができる。
ガイドラインは,確実に手技を実施するための参照であるマニュアルとは違って“単なる指針”である。本文中にも記されているように医師が患者とともに治療方針を決定すべきであり,闇雲にガイドラインに従うことを求めてはいない。本文中には,治療方針を検討するにあたって考慮すべきポイントや判断基準がエビデンスとともに明確に記載されており,本ガイドラインを参照することにより医師は患者の状況を加味した最適な判断を下すことができるように作られている。われわれはあくまで原則を守りながらも,患者の病態に合わせた,患者のためになる治療をめざす必要がある。
本ガイドラインの使い勝手はどうであろうか? 血管内焼灼術の歴史から具体的な手技や本文中の用語が初心者にもわかりやすく解説されており,クリニカルクエスチョンと推奨のパートにはシステマティックレビューから推奨に至る経緯が順序立てて詳しく記載してあり,読む人を意識した構成となっている。さらに,簡単な言葉で解説された一般の方向けのまとめによって,患者やその家族にも理解できるように工夫されている。
科学技術は,人間社会とりわけ医療に大きな影響を与えてきた。かつては考えられなかった下肢静脈瘤の日帰り手術というようなことが普通になり,日本全国津々浦々で行われるようになった。そのような急速な技術革新の中でも,われわれの道徳,倫理感はほとんど変わらなく存在しているはずである。血管内焼灼術がいくら進歩しても,道徳,倫理が不動でなければガイドラインは死んでしまう。このようなことも頭の片隅に置いて,本ガイドラインが世に出て理解されることを強く望むものである。


2019年4月2日
日本静脈学会理事長 岩井武尚

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