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冠動脈疾患併存HFrEFに対する適切な血行再建の適応評価とは?

No.5234 (2024年08月17日発行) P.55

佐藤宏行 (東北大学病院循環器内科)

杉崎陽一郎 (Cardiovascular Research Foundation/Columbia University Irving Medical Center)

登録日: 2024-08-15

最終更新日: 2024-08-14

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  • 冠動脈疾患併存heart failure with reduced ejection fraction(HFrEF)に対する適切な血行再建の適応評価についてご教示下さい。
    Cardiovascular Research Foundation/Columbia University Irving Medical Center・杉崎陽一郎先生にご解説をお願いします。

    【質問者】佐藤宏行 東北大学病院循環器内科


    【回答】

    【HFrEFの有無によらず現行の冠動脈疾患に対する適応を踏襲すべきである】

    まず,結論からお答えすれば,HFrEFが併存する冠動脈疾患(coronary artery disease:CAD)について,その血行再建に特別な適応があるわけではありません。

    CADとHFrEFとの関係は多岐にわたり,CADが直接寄与する心機能低下から心筋症に伴う心機能低下にCADが併存する病態まで,様々です。そのため,①HFrEFとして至適薬物療法を行うこと,②心筋バイアビリティの評価を主体としてCADが心機能低下に与える影響を検討する(それをふまえて血行再建のrisk/benefitを検討する)ことが最も重要です。

    HFrEF併存CADへの血行再建について,本邦では「2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療」の中で「心不全とCADを疑う所見があり,血行再建によるベネフィットが得られる可能性がある場合に,侵襲的冠動脈造影の施行を考慮する。Class Ⅱa」と言及されています。もしCADを認めた場合,血行再建の適応については「心不全や左室機能障害,進行した腎臓病,あるいはフレイルを伴う患者において, 症例ごとにリスクとベネフィットを考慮する。Class Ⅱa」とされています。

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