監修: | 山内正憲(東北大学医学系研究科麻酔科学・周術期医学分野 教授) |
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編著: | 外山裕章(東北大学医学系研究科麻酔科学・周術期医学分野 准教授) |
判型: | B6判 |
頁数: | 330頁 |
装丁: | 2色部分カラー |
発行日: | 2021年07月07日 |
ISBN: | 978-4-7849-5900-6 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
診療科: | 麻酔・ペインクリニック | 麻酔・ペインクリニック |
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第1章 胸部手術時の解剖学と生理学
1 胸部の解剖
2 呼吸器の生理
3 一側肺換気中の生理
第2章 胸部手術の特徴と術前評価概論
1 上気道の評価
2 下気道の評価
3 呼吸機能の評価
4 片肺換気時の術前評価
5 術前合併症の評価と対応
第3章 デバイスとモニタリング
1 術前準備
2 気管支ファイバースコープ
3 ダブルルーメンチューブの構造と使用法
4 ダブルルーメンチューブのバリエーション
5 気管支ブロッカーの構造と使用法
6 気管支ブロッカーのバリエーション
7 小児の一側肺換気
8 膜型人工肺(ECMO)
9 呼吸モニター
10 輸液・循環モニター・TEE
11 筋弛緩薬・筋弛緩モニター
第4章 麻酔管理の実際
1 肺・胸膜手術
1-1 側臥位胸部手術の流れ
・1 麻酔管理総論
・2 側臥位の手順
・3 人工呼吸器の設定
・4 低酸素血症への対応
1-2 開胸肺手術
1-3 胸腔鏡肺手術(VATS、RATSの麻酔管理)
1-4 麻酔管理中のトラブルへの対応
1-5 特殊な肺手術
・1 胸膜肺全摘術、胸膜剥皮術
・2 巨大腫瘍
・3 気管・気管支形成術
・4 全肺胞洗浄
・5 肺移植
2 縦隔手術
3 食道手術
4 小児胸部手術
4-1 食道閉鎖
4-2 先天性横隔膜ヘルニア
4-3 漏斗胸
4-4 嚢胞性肺疾患・先天性気管狭窄・肺分画症
5 気管断裂・刺創
6 換気・挿管困難症例
6-1 換気・挿管困難(CICV)症例への一側肺換気
6-2 換気・挿管困難(CICV)症例の抜管
7 麻酔からの覚醒
7-1 覚醒の注意点とコツ(BIS、筋弛緩評価)
7-2 ダブルルーメンチューブの抜管
8 術後管理
8-1 呼吸管理
・1 胸腔ドレナージ
・2 酸素療法と非侵襲的人工呼吸管理
8-2 疼痛管理
・1 硬膜外ブロック
・2 胸部傍脊椎神経ブロック
・3 脊柱起立筋面ブロック(ESPB)、椎弓後面ブロック(RLB)
・4 肋間神経ブロック、前鋸筋面ブロック
・5 麻薬、ケタミン、鎮痛補助薬
8-3 PONV
巻末資料
1 Atlas気管支樹(bronchial tree)
2 分離肺換気のトレーニング
3 DLT・気管支ファイバーのサイズ適合表
4 SLT・BBのサイズ 適合表
Column
EIT
CPSP
EMG tube
呼吸とアクチン調節蛋白質ゲルソリン
SSI
MPsには無限の可能性が
『胸部手術の麻酔 一側肺換気の手技と知識を知る』発刊に向けて
刊行に際し、編集や執筆していただいた方々、読者として手にとっていただいた方々に感謝致します。
心臓血管手術を除いた胸部手術全般の麻酔を網羅した成書はわずかです。胸部手術の麻酔管理では、片肺換気や術野挿管等の特殊な気道管理を要し、体位作成も注意を要します。一度合併症を生じれば致命的となりうる疾患もあり、麻酔管理は難度が高いと考えられます。
麻酔科医にとってのバイブルたる『ミラー麻酔科学』は胸部手術の麻酔に多くのページを割いておりますが、 引用元となっている原書は『Benumof、 JL. Anesthesia for thoracic surgery、 W.B. Saunders
Company 1995』、『Cohen、 E. The Practice of Thoracic Anesthesia. Lippincott Williams&Wilkins 1995』、『Slinger、PD、 ed. Principles and Practice of Anesthesia for Thoracic Surgery. Springer 2011』のほぼ3冊です。本邦にも肺手術を記載した成書はありますが、 他の胸部手術や小児胸部手術をまとめて記載した成書はありません。そこで、成人から小児胸部手術までバラエティに富んだ胸部疾患に対する麻酔管理について、 特に気道管理を中心に解説する、ポケット版解説書を刊行致しました。
本書を学ぶ読者が、 胸部手術の麻酔管理の基本から困難症例まで安全に管理できる麻酔科医になられんことを祈念しております。
東北大学医学部麻酔科学・周術期医学分野 准教授 外山裕章
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。