No.5206 (2024年02月03日発行) P.51
間宮敬子 (信州大学医学部附属病院信州がんセンター緩和部門教授)
天谷文昌 (京都府立医科大学疼痛・緩和医療学教授)
登録日: 2024-02-06
最終更新日: 2024-01-30
【質問者】間宮敬子 信州大学医学部附属病院信州がんセンター緩和部門教授
【術後3カ月以上続く痛みと定義される。慢性痛治療を早期開始することが重要である】
手術が普及し,術後患者の長期予後が改善したことにより,術後痛が遷延する問題が知られるようになりました。ペインクリニック患者の約20%が術後の長期的な痛みで受診していること1),手術経験者は慢性痛の頻度が高いこと2)が報告され,その影響の大きさが認識されています。様々な術式において術後痛が慢性化することがわかっており(表1)3),急性期に限った術後痛治療は再考すべきでしょう。
新しい国際疾病分類ICD-11では,術後慢性痛は「手術後または組織損傷後に生じた,または増悪した痛みで,通常の創傷治癒過程を越えてつづくもの(おおむね3カ月以上)」とされています。
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