末梢血と骨髄所見をもとに低リスク群と高リスク群に分類する
低リスク群骨髄異形成症候群(MDS)には造血回復を目的としてダルベポエチンやレナリドミドが用いられる
ダルベポエチンの効果は血清エリスロポエチン濃度で予測可能である
レブラミドは5q欠失症候群にのみ保険適用がある
高リスク群MDSには白血病移行を遅延させる目的で化学療法がなされる
高齢者高リスク群MDSの第一選択薬はアザシチジンである
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes:MDS)は多様性に富む疾患で治療目標は患者ごとに異なる。一般的には白血病に移行するリスクの多寡により高リスク群,低リスク群に層別化し,高リスク群には白血病移行を防ぐもしくは遅延させる治療が,低リスク群には経過観察もしくは造血不全に対する治療が行われる(図1)1)。
しかし,低リスク群であっても同種造血幹細胞移植(同種移植)が行われることもあり,高リスク群に分類されても経過観察とされる患者もいる。MDSは高齢者に多い疾患であり,患者の病状に加えて,年齢,併発症,さらには患者自身の希望をふまえた上で治療目標を定め,それに向けて適切と思われる治療法が選択されている。ここでは各種治療法の現状と問題点につき記す。