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三尖および二尖大動脈弁における大動脈弁形成術(AVP)での基部置換併施の適応条件とその根拠 【ガイドラインのハイリスク疾患径に至らずとも,AVP適応例の多くに対して意義がある】

No.4917 (2018年07月21日発行) P.56

荻野 均 (東京医科大学心臓血管外科主任教授)

高梨秀一郎 (榊原記念病院心臓血管外科主任部長/副院長)

清水 篤 (榊原記念病院心臓血管外科)

登録日: 2018-07-18

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  • 三尖および二尖大動脈弁における大動脈弁形成術での基部置換併施の適応条件とその根拠についてご教示下さい。榊原記念病院・高梨秀一郎先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    荻野 均 東京医科大学心臓血管外科主任教授


    【回答】

    大動脈弁形成術(aortic valve plasty:AVP)における基部置換術併施の意義は,将来的な大動脈イベントの回避と形成した大動脈弁の耐久性確保にあると考えます。

    AVPを必要とする症例の多くは,大動脈拡大や瘤化が始まっています。特に若年例では,大動脈弁の手術適応と判断された段階では大動脈径がガイドライン1)で考えられている血管径〔通常60mm,ハイリスク疾患45mm(場合により40mm)〕には至らず置換をためらう症例もあります。大動脈拡大を放置した場合,将来的に大動脈径が拡大し破裂や解離を生じる可能性と,形成した大動脈弁の構造を変化させて逆流や狭窄の進行をまねく恐れもあります。

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