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腫瘍用薬の総投与量の上限を超えた投与[医療安全情報UpDate]

No.4918 (2018年07月28日発行) P.16

登録日: 2018-07-26

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添付文書に記載された総投与量の上限を超えて腫瘍用薬を投与した後、患者に心筋傷害の影響を生じた事例が報告されている。
日本医療機能評価機構は17日、「医療安全情報No.140」を発出し、「総投与量は、患者の生涯にわたって投与する累積量」と強調した上で、腫瘍用薬の総投与量を把握する仕組みを医療機関内で検討するよう注意を呼び掛けている。同機構によると、こうした事例は2014年1月〜18年5月までの集計で2件報告されている。
ある事例では、2年前に子宮体癌の再発でAP療法コースを6コース実施した。1年前に癌が再発し、腫瘍摘出術の施行後にAP療法を3コース実施。この時点で、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は470mg/m2であった。医師はドキソルビシン塩酸塩の総投与量の上限が500mg/m2であることを知っていたが、正確な記録はなく、さらにAP療法を6コース実施した。その後患者は心筋障害を発症。ドキソルビシン塩酸塩の総投与量を調べたところ、620mg/m2だった。
同機構は再発防止の取り組みとして、①他院からの紹介状や患者からの情報などで過去の治療歴を確認し、記録する、②電子カルテのシステムを改善し、医師が処方する際に添付文書の総投与量の上限を超えるとアラートが出るようにする、③薬剤師は、レジメンのチェックリストに総投与量を記載し、確認する、④患者へ情報を提供するために、お薬手帳に総投与量を記載し、説明する―を紹介している。

 

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