医療事故調査制度を運営する日本医療安全調査機構は6日、「医療事故調査・支援事業運営委員会」を開催し、2015年10月の制度開始から3年間で交付されたセンター調査報告書7事例の平均調査期間は1年間であることを報告した。
医療事故が発生した際に医療機関は院内調査を行うが、当該医療機関または遺族の依頼があれば、事故調の第三者機関である「医療事故調査・支援センター」が再調査を行う。センター調査について厚労省のQ&Aでは「院内事故調査により記録の検証や(必要な場合の)解剖は終了していることが多いと考えられるため、新たな事実を調査するというより、院内事故調査結果の医学的検証を行いつつ、現場当事者への事実確認のヒアリングや、再発防止に向けた知見の整理を主に行うことが考えられる」としている。
調査の申請から調査開始までの平均期間は約6カ月間。平均調査期間を合わせると、申請から調査報告書の公布まで約1年6カ月間を要している。また、8月24日までにセンター調査の依頼があった67事例に関して、協力学会から推薦された508人が調査を行っている。
運営委員会で機構は、各事例における調査方法や報告書の記載方法を統一するため、「センター調査・報告書作成マニュアル」を作成し、これまで3回改訂していることを報告。さらに、マニュアルによって、報告書の構成を原則「一般論」「事実」「検証結果」とすることや、調査結果が院内調査と異なった場合には、その根拠を特に丁寧に記載するよう周知していることなどを説明し、今後、調査期間の短縮に向けて努力していく考えを示した。