国立がん研究センター(国がん)は12日、がんの3年生存率を初めて公表した。全がんの相対生存率は71.3%。膵臓がんの生存率は他の部位より大幅に低く、15.1%にとどまっていた。
政府が3月に閣議決定した第3期がん対策推進基本計画で、迅速な情報提供の必要性が明記されたことを踏まえ、国がんは、これまで報告していた5年生存率より早い段階の3年生存率集計を実施した。
対象となったのは、2011年にがんと診断され、全国のがん診療連携拠点病院等で初回治療を受けた患者。生存状況把握割合が90%以上だった268施設の30万381症例を集計した。
3年生存率が最も高かったのは前立腺がん。がん以外の死因による死亡の影響を取り除いた相対生存率は約99%、ステージ別でみると、Ⅰ~Ⅲ期では100%だった。反対に、最も低かったのは膵臓がん。相対生存率はⅠ期が約55%、Ⅱ期が約29%、Ⅲ期が約12%、Ⅳ期が約3%で、全体でも約15%にとどまっていた。膵臓がんのステージ分布は、Ⅳ期が最多で約47%を占めた。次いでⅡ期が約25%、Ⅲ期が約18%だった。
その他の部位の3年生存率は、胃がんが約74%、大腸がんが約78%。乳がんでは約95%に上った。一方、肝臓がんは約54%、肺がんは約49%だった。
国がんは同日、08~09年の5年生存率も公表。拠点病院ごとの主要5部位(胃、大腸、乳房、肝臓、肺)・病期別の集計結果を初めて明らかにした。