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糖尿病患者における骨粗鬆症の診断と治療のポイントは?

No.4929 (2018年10月13日発行) P.56

西村理明 (東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌 内科教授)

岡田洋右 (産業医科大学医学部第1内科学講座准教授)

登録日: 2018-10-15

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  • 糖尿病患者における骨粗鬆症の診断ならびに治療におけるポイントを教えて下さい。産業医科大学・岡田洋右先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    西村理明 東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌 内科教授


    【回答】

    【骨質劣化が要因として大きい。薬物療法に加え,食生活の改善などの生活指導が重要】

    (1) 糖尿病患者の非糖尿病患者に対する大腿骨頸部骨折リスク

    糖尿病患者における非糖尿病患者に対する大腿骨頸部骨折リスクは,1型糖尿病患者では6~7倍,2型糖尿病患者では1.4~1.7倍と報告されており,1型,2型にかかわらず骨折リスクは高くなっています。

    (2)骨粗鬆症の状態とは

    骨粗鬆症は,骨密度と骨質劣化により骨強度が低下した状態です。骨密度の低下から推測される骨折リスクの上昇は3~4倍ですが,実地臨床ではそれ以上に骨折リスクが高く,骨質の異常も存在します。一方,2型糖尿病患者の骨密度は,正常もしくは高値を示します。しかし,日本人2型糖尿病患者の成績においても,非糖尿病群に比較し,より高い骨密度にもかかわらず骨折例が多く存在し,骨折閾値が高いことが示されています。糖尿病は骨密度に依存しない骨折リスクの上昇をもたらすことから,骨質劣化の要因も大きいと思われます。

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