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「経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第3版」

No.4940 (2018年12月29日発行) P.52

松田 謙 (福井大学脳脊髄神経外科)

登録日: 2018-12-29

最終更新日: 2021-01-07

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【急性期脳梗塞における血管内治療の適応拡大】

急性期脳梗塞に関する2件のtrialの成績が発表された。DAWN trialは最終健常確認時刻から6~24時間,DEFUSE3 trialは6~16時間のICAまたはMCA M1閉塞による急性期脳梗塞で,神経徴候あるいは灌流低下領域と虚血コア体積のミスマッチを有する例を対象として,血管内治療+内科治療と内科治療単独とを比較したRCTであるが,いずれも血管内治療の追加が3カ月後の予後を改善させた。これにより2018年3月に「経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第3版」1)が発表された。注目するべき内容を以下に抜粋する。

「最終健常確認時刻から6時間を超えたICAまたはMCA M1部の急性梗塞が原因と考えられる脳梗塞では,発症前のmRSスコアが0または1で,NIHSSスコアが10以上かつMR拡散強調画像でASPECTSが7点以上である症例に対して,最終健常確認時刻から16時間以内に本療法を開始することが強く勧められる【グレードA】。また,頭部CT灌流画像またはMRI拡散強調画像における虚血コア体積と,神経症状あるいは灌流画像での灌流遅延領域にミスマッチがあると判断される症例に対し,最終健常確認時刻から24時間以内に本療法を開始することが勧められる【グレードB】」。

ただしわが国では,血栓回収機器の添付文書での使用目的は「原則として発症8時間以内の急性期脳梗塞」であり,虚血コア体積および低灌流領域を迅速に計測可能なソフトが普及していないため,症例ごとに適応を検討する必要がある。

【文献】

1) 日本脳卒中学会, 他:経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針. 第3版. 2018.

【解説】

松田 謙 福井大学脳脊髄神経外科

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