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高齢者における心房細動治療(カテーテルアブレーション)

No.4943 (2019年01月19日発行) P.51

植田寿里 (東北大学加齢医学研究所老年医学)

登録日: 2019-01-17

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【今後,より高齢な患者に対しても治療適応の拡大が予想される】

心房細動の根治治療であるアブレーションは,1988年に肺静脈隔離術が報告されて以降,世界中に広まり,既に治療選択肢として確立している。発作性心房細動において,アブレーション施行後,約80%が洞調律を維持できる1)

近年,3次元マッピングシステムの導入,新たなバルーンアブレーション(クライオバルーンやホットバルーン)の登場により,治療成績は向上し,手術時間が短縮してきている。これまでアブレーションによる生命予後改善効果は示されてこなかったが,心不全合併例では,死亡・入院リスクを軽減させることが報告された2)。高齢者におけるアブレーション成績は,洞調律維持率・合併症に差はないとされるが,術後に抗不整脈薬や抗血栓療法を中止できない症例が多い3)

アブレーションの侵襲度の軽減,成功率上昇に伴い,今後,より高齢な患者に対しても治療適応の拡大が予想される。適応決定に際して,高齢者では,併存症・フレイルを含む高齢者総合機能評価を実施し,適切なリスク管理と総合的なマネージメントが求められる。

【文献】

1) Ouyang F, et al:Circulation. 2010;122(23): 2368-77.

2) Marrouche NF, et al:N Engl J Med. 2018;378 (5):417-27.

3) Santangeli P, et al:J Cardiovasc Electrophysiol. 2012;23(7):687-93.

【解説】

植田寿里 東北大学加齢医学研究所老年医学

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