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濾胞性リンパ腫の再発時において,watchful waitingは選択肢となるか?

No.4943 (2019年01月19日発行) P.56

桐戸敬太 (山梨大学医学部血液・腫瘍内科教授)

照井康仁 (がん研有明病院血液腫瘍科部長)

登録日: 2019-01-17

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  • 濾胞性リンパ腫ではしばしば再発を経験しますが,再発後も進行が緩徐な症例も多く,すぐにセカンドライン治療を開始すべきか判断に迷うことがあります。再発濾胞性リンパ腫の治療開始のタイミング,またwatchful waitingも選択肢となりうるのか,がん研有明病院・照井康仁先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    桐戸敬太 山梨大学医学部血液・腫瘍内科教授


    【回答】

    【低腫瘍量であれば,一般的にwatchful waitingが標準となる】

    初発進行期濾胞性リンパ腫に対するwatchful waiting中の治療開始基準がありますが,代表的な基準はGroupe d'Etude des Lymphomes Folliculaires(GELF)基準です。これは,低腫瘍量や高腫瘍量の腫瘍量を評価するもので,①7cm以上の腫瘤形成,②異なる3領域に各3cm以上のリンパ節腫大,③有症状性脾腫大,④臓器圧迫症状,⑤腹水/胸水貯留,⑥全身症状の出現,⑦米国東海岸がん臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group:ECOG)performance status>1,⑧血清LDH/β2-MG>正常上限値,の8つの項目のうちひとつでも当てはまるようであれば高腫瘍量と評価し,治療を開始するというものです。

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