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【人】伊東貞三さん「泰然自若たる陛下の最期の姿を残しておきたかった」

No.4786 (2016年01月16日発行) P.16

伊東貞三 (昭和天皇・香淳皇后元侍医)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-30

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  • 伊東貞三さん( Ito Teizo)

    昭和天皇・香淳皇后元侍医

    1929年東京都生まれ。55年東大卒。83〜89年昭和天皇・香淳皇后侍医。89〜2000年香淳皇后侍医。小田原新幹線クリニック院長を経て、現在、三宿病院循環器内科勤務。幕末・維新期の蘭方医・伊東玄朴の子孫。

    「泰然自若たる陛下の最期の姿を残しておきたかった」

    「天皇陛下ご重体」との報道に日本中が騒然となった1988(昭和63)年秋。宮中で陛下は、下血の始末をする侍医に向かい、首から下は自分の体ではないかのような平然とした表情で「伊東、今日は満月だよ。その障子を開けてごらん、綺麗だ」と語りかけたという。

    「床に伏せておられる陛下がなぜご存じなのか、最近まで不思議に思っていたんですけど、仕人さんが大きな鏡を持って来て、満月を反射してお見せしていたようなんです」

    一般には知られていない、そんな昭和天皇の意外な姿、日常の姿を元侍医の目で綴った『昭和天皇 晩年の想い出』を昨年出版した。

    「天皇家に関しては、きらびやかな生活をしているといった誤解がまだ多い。『国民とともにある』という考え方を貫かれた昭和天皇を尊敬する一人の人間として、自分の経験を残しておく必要があると思ったんです」

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