日本医療機能評価機構は15日、医療者が患者を支えて車椅子へ移乗させる際などに、患者の下肢がフットレストに接触して外傷を生じた事例が相次いでいるとして、医療現場に注意喚起を行った。
15日発出の「医療安全情報No.147」によると、患者の下肢が車椅子のフットレストに接触して外傷を生じた事例は2014年1月~18年12月に18件報告されている。そのうちの1例では、看護師が患者を支えて車椅子からベッドへ移乗する際に患者のズボンの裾が持ち上がり、フットレストが下肢に直接当たったため皮膚が裂けて筋膜が露出し、18針縫う結果となった。この患者はプレドニン内服と全身浮腫で皮膚が脆弱な状態にあった。
同機構は再発防止に向け、事例が発生した医療機関の取り組みとして①患者の状態に応じて介助する方法や人数を検討する、②フットレストにカバーを着ける、③皮膚が脆弱な患者の移乗時にはズボン・靴下などを着用して下肢を保護する―の3点を紹介している。