厚生労働省は1日、抗インフルエンザ薬の「タミフル」(一般名:オセルタミビルリン酸塩)と「ゾフルーザ」(同:バロキサビル マルボキシル)について、製造販売各社に添付文書の改訂を指示した。ゾフルーザでは「重大な副作用」として「出血」を追記。また、同薬とタミフルの両剤で、ワルファリンとの併用注意も喚起する。国内における抗インフルエンザ薬全体の出血関連症例の集積状況や専門家の意見を踏まえた措置。
両薬の添付文書改訂では、「重要な基本的注意」の項で、患者・家族へ説明すべき事項に「出血症状が現れた場合に医師に連絡すること」を加える。さらに、ワルファリンとの併用でプロトロンビン時間が延長した報告があることから「併用注意」を新設し、併用時に患者の状態に注意するよう求める。ゾフルーザでは「重大な副作用」の項に血便、鼻出血、血尿等に関する注意を付記する。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)の集計によると、直近3年度に報告された国内における出血関連症例は、タミフルでは30例(うち因果関係が否定できない症例:3例)、ゾフルーザでは転帰死亡3例を含む25例(同:13例)となっている。