日本公衆衛生学会と禁煙推進学術ネットワークは4日、財務省に対し、たばこのパッケージ上の健康影響に関する注意文言について、画像付き警告表示の導入を要望した。併せて、たばこの銘柄において「ライト」「マイルド」などの形容的表現を使用禁止にすることも求めた。
財政制度等審議会の分科会は昨年12月、たばこのパッケージの注意文言規制の見直しに関する最終報告を取りまとめた。その中では、注意文言の表示面積を現行の「主要面の30%以上」から「50%以上」へ拡大する方針を示す一方で、画像による警告表示については「過度に不快感を与えないようにすることが必要」などとして今後の検討課題に位置づけ、採用を見送った。
麻生太郎財務相らに宛てた要望書では、国内外の知見に基づき、現行の文字だけの注意文言表示は「喫煙者に読まれる機会が少なく、喫煙者に与えるインパクトも非常に小さい」と指摘。国際的に広く導入されている画像付き警告表示の採用を促している。
「ライト」「マイルド」といった文言については、有害化学物質への曝露が少なく「安全」であるという誤解を生じさせるとして、使用を禁じるよう求めた。パッケージに表示される主流煙中のニコチン・タール量についても、実際の喫煙者の摂取量を反映していないと問題視し、数値表記を中止するか、表示を継続する場合は機械喫煙装置を用いる現行の測定法を改め、世界保健機関(WHO)が推奨する「HCI法」への切替えを提言している。