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肝胆膵外科におけるサルコペニアの意義

No.4952 (2019年03月23日発行) P.51

海道利実 (京都大学肝胆膵・移植外科准教授)

登録日: 2019-03-22

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【超高齢社会を迎え二次性サルコペニア合併症例は多く,重要な意義を有する】

筋肉量の減少や筋力の低下・身体機能の低下で定義されるサルコペニアは,その成因によって一次性サルコペニアと二次性サルコペニアにわけられる。前者は加齢に伴う筋肉量の減少であり,後者は活動性の低下や低栄養,手術侵襲,腫瘍などの疾患に伴う筋肉量の減少である。超高齢社会を迎え,手術患者も高齢化している。また,肝胆膵外科手術患者においては,二次性サルコペニア合併症例が多い。したがって,サルコペニアは肝胆膵外科においても重要な意義を有する。

そこで筆者らは,肝癌・胆管癌・膵癌手術症例において,術前サルコペニアや筋肉の質,さらに内臓脂肪肥満の意義について検討した。その結果,術前低骨格筋量,筋肉の質低下(筋肉の脂肪化),内臓脂肪型肥満症例は,いずれも正常例に比べ,有意に生存率低値かつ無再発生存率低値であった1)~3)。したがって,従来の術前評価に加え,筋肉量や質,内臓脂肪などの体組成評価を行うことは,患者の全身状態や耐術能,予後を正確に評価するためにきわめて有用である。

【文献】

1) Hamaguchi Y, et al:Liver Cancer. 2018 June 5. [Epub ahead of print]

2) Okumura S, et al:Ann Surg Oncol. 2017;24(4): 1037-45.

3) Okumura S, et al:Ann Surg Oncol. 2017;24(12): 3732-40.

【解説】

海道利実 京都大学肝胆膵・移植外科准教授

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