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臨床倫理─モヤモヤに気づいて立ち止まることが重要[プライマリ・ケアの理論と実践(15)]

No.4962 (2019年06月01日発行) P.8

川口篤也 (函館稜北病院 総合診療科科長/副院長)

登録日: 2019-05-30

最終更新日: 2019-05-29

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SUMMARY
臨床でモヤモヤすることには倫理的問題が絡んでいることが多く,それを流さないで多職種でフラットに話し合い,対処することが臨床倫理の考え方である。

KEYWORD
臨床倫理4分割の表
患者の状況を,医学的適応,患者の意向,QOL,周囲の状況の4つに分類して分析し,多職種でフラットに話し合うためのカンファレンスツールである。


川口篤也(函館稜北病院 総合診療科科長/副院長)

PROFILE
札幌にある勤医協中央病院 総合診療センターで総合診療を学び,2016年より函館稜北病院で函館地域のまるごとケアに邁進している。日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医,日本内科学会総合内科専門医,日本在宅医学会認定専門医・指導医。

POLICY・座右の銘
面白き こともなき世に おもしろく

1 日々遭遇するモヤモヤ

日々の臨床において心がモヤモヤすることはないだろうか。モヤモヤには倫理的問題が絡んでいることが多い。臨床倫理とは特別なことではない。日々の臨床のモヤモヤに潜む倫理的課題に気づき,それを分析して,対処することにより患者ケアを向上させることができる。

2 臨床倫理の4分割表を使ったカンファレンスとは?

多職種で話し合う際に倫理的課題を整理するための定型的ツールを使うと漏れなく検討が行える。ツールのひとつがJonsenらが提示した臨床倫理4分割の表(表1)1)を使ったカンファレンスである。以下にその概要を述べる。

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