株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に係る死亡事例の再発防止策[医療安全情報UpDate]

No.4971 (2019年08月03日発行) P.68

登録日: 2019-07-31

最終更新日: 2019-07-30

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

医療事故調査制度の第三者機関「医療事故調査・支援センター」に指定されている日本医療安全調査機構はこのほど、入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に係る死亡事例の再発防止策を公表した。
事故調がスタートした2015年10月1日から昨年末までに報告された院内調査結果報告書908件のうち、病室内での転倒・転落による頭部外傷で、死亡との因果関係がある11例を分析し、8つの提言(下掲)をまとめた。
なお、この11例は、70代以上が8例、転倒・転落歴がある事例は6例、認知機能低下・せん妄などがある事例は7例、睡眠薬、抗精神病薬などの向精神薬を内服していた事例は6例―という特徴があったという。
提言によると、一般病床における転倒・転落発生率は 1日1000床あたり1.5件程度。加齢とともに発生率も高くなり、特に75歳以上で多く発生しているという。
その上で、高齢者の転倒・転落について、様々な原因により発生する老年症候群の一つと位置づけ、「完全な予防は不可能」と指摘。そのため、転倒・転落に関するリスク評価や対策を講じること、さらに転倒・転落後に頭部外傷がある場合には適切に対応することを求めた。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top