厚生労働省は8月13日付で、今季(2019/20シーズン)のインフルエンザワクチンの供給見込みについて、都道府県を通じて市区町村や医療機関に通達した。近年の使用量から、ワクチンを適切に使用すれば「不足は生じない状況と考えられる」としている。ただし、安定供給の確保に向け、13歳以上では原則1回接種とする対応を昨季に引き続き周知徹底する。
厚労省によると、国内メーカー4社による今季のインフルエンザワクチンの製造量は7月末時点で約2951万本(1mL=1本換算)と見込まれている。これは昨季の使用量(約2630万本)と製造量(約2717万本)をともに上回る。10月第1週には前季の同時期を上回る量のワクチンが納入される見通し。
厚労省は昨年も「適切に使用すればワクチン不足は生じない」とする通知を出した。しかし、シーズン序盤を中心に、医療現場からはワクチン確保に苦心しているとの声が上がった。
13日付の通知では、医療機関に対し、医師が必要性を認めた場合を除き、13歳以上への接種を1回とすることを要請。ワクチンの購入は必要量に見合う量にとどめ、医薬品卸に必要以上の早期・多量の納入を求める発注・予約を行わないよう呼び掛けている。