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■NEWS 添付文書改訂―ドパミン受容体作動薬の減量・中止は「漸減」を

No.4976 (2019年09月07日発行) P.70

登録日: 2019-08-26

最終更新日: 2019-08-26

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厚生労働省は8月22日付で、日本製薬団体連合会に対し、パーキンソン病に用いるドパミン受容体作動薬などの添付文書の改訂を指示する通知を発出した(下掲)

ロピニロール塩酸塩などドパミン受容体作動薬8成分では、「重要な基本的注意」の項に、急激な減量・中止による薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等)の発現リスクについて追記する。減量・中止が必要な場合は漸減することとし、異常が認められた場合には投与再開または減量前の投与量に戻すなど、適切な処置をとるよう求める。

■ゼルヤンツ投与、静脈血栓塞栓症リスクも考慮

関節リウマチに用いる「ゼルヤンツ」(一般名:トファシチニブクエン酸塩)では、「重大な副作用」として「静脈血栓塞栓症」を追加する。心血管系事象のリスク因子を有する患者に投与する際には、静脈血栓塞栓症の発現リスクを踏まえて他の治療法の考慮も促し、特に10mg1日2回投与の必要性については慎重な判断を求めることとする。心血管系事象のリスクを有する50歳以上の関節リウマチ患者を対象とした海外の臨床試験(A3921133試験)の成績を受けた対応。同試験では同薬10mg1日2回群の肺塞栓症および死亡のリスクがTNF阻害薬群に比べて高い傾向が指摘されている。

「使用上の注意」「接種上の注意」改訂の内容(2019822日指示分)

ドパミン受容体作動薬(①ロピニロール塩酸塩、②プラミペキソール塩酸塩水和物、③タリペキソール塩酸塩、④ロチゴチン、⑤カベルゴリン、⑥ブロモクリプチンメシル酸塩、⑦ペルゴリドメシル酸塩、⑧アポモルヒネ塩酸塩水和物)

販売名

①レキップ錠、同CR錠(グラクソ・スミスクライン)他、②ビ・シフロール錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)他/ミラペックスLA錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)他、③ドミン錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)、④ニュープロパッチ(大塚製薬)、⑤カバサール錠(ファイザー)他、⑥パーロデル錠(サンファーマ)他、⑦ペルマックス錠(協和キリン)他、⑧アポカイン皮下注(協和キリン)

改訂の概要

1.      重要な基本的注意の項に薬剤離脱症候群に関する記載を追記

2.      その他の副作用の項に薬剤離脱症候群を追記

カベルゴリン

販売名

カバサール錠(ファイザー)他

改訂の概要

1.      重要な基本的注意の項に「トルコ鞍外に進展する高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者に対する髄液鼻漏」に関する注意喚起および「視野障害のみられる高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者に対する視野障害の再発」に関する注意喚起を追記

2.      慎重投与の項の「下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害などの著明な患者」を「下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害などの著明な高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者」とする

トファシチニブクエン酸塩

販売名

ゼルヤンツ錠(ファイザー)

改訂の概要

1.      重大な副作用の項に静脈血栓塞栓症を追記

2.      効能又は効果に関連する注意の項に心血管系事象のリスク因子を有する患者に本剤を投与する際には、他の治療法を考慮する旨を効能共通で追記

3.      特定の背景を有する患者に関する注意の項に「心血管系事象のリスク因子を有する患者」の項を新設し、静脈血栓塞栓症の徴候・症状の発現に関する注意および他の治療法を考慮し、特に10mg12回投与の必要性については慎重に判断する旨等を追記

乾燥BCGワクチン

販売名

乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)(日本ビーシージー製造)

改訂の概要

重大な副反応の項の「全身播種性BCG感染症」および「骨炎、骨髄炎、骨膜炎」を「BCG感染症」と改め、髄膜炎に関する記載を追記

(医薬品医療機器総合機構資料〈822日〉、厚生労働省通知「薬生安発08221号」を基に作成)

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