【質問者】
勝沼俊雄 東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科教授
【世界初の「喀痰」が含まれたガイドライン】
「咳嗽に関するガイドライン」の「初版」は2005年,「第2版」は2012年に発刊され,2019年4月に「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」が元東京女子医科大学・玉置 淳先生,長崎大学・迎 寛先生,横浜市立大学・金子 猛先生を委員長,副委員長として発刊されました。世界で初めて「喀痰」が含まれたガイドラインで,呼吸器,感染症,アレルギーのほかに,小児,耳鼻,集中治療,感染予防の専門家も参加し,感染予防,「喀痰」の総論,各論,人工呼吸器,新たな概念などの新規項目が特徴的です。
今回のガイドラインには,巻頭の「急性」と「遷延性・慢性」咳嗽の対応フローチャートの注釈部分にメッセージを組み込みました。「第2版」発刊以来,実地医家の先生方の咳嗽に対する診療レベルの上昇を感じていました。そこで,急性咳嗽フローチャートの注1は「遷延性・慢性咳嗽の原因となる疾患の発症早期での来院や,これらの疾患への感染合併等による,咳嗽・喀痰の出現や増悪での来院もある」と,柔軟な急性咳嗽への対応を可能とし,一方で精密検査や専門医への紹介を早めに促しています。
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