株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」の特徴と概要は?

No.4983 (2019年10月26日発行) P.53

勝沼俊雄 (東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科教授)

尾長谷 靖 (長崎大学医学部呼吸器内科准教授)

登録日: 2019-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」が発刊されました。その特徴や概要を教えて下さい。長崎大学・尾長谷 靖先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    勝沼俊雄 東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科教授


    【回答】

    【世界初の「喀痰」が含まれたガイドライン】

    「咳嗽に関するガイドライン」の「初版」は2005年,「第2版」は2012年に発刊され,2019年4月に「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」が元東京女子医科大学・玉置 淳先生,長崎大学・迎 寛先生,横浜市立大学・金子 猛先生を委員長,副委員長として発刊されました。世界で初めて「喀痰」が含まれたガイドラインで,呼吸器,感染症,アレルギーのほかに,小児,耳鼻,集中治療,感染予防の専門家も参加し,感染予防,「喀痰」の総論,各論,人工呼吸器,新たな概念などの新規項目が特徴的です。

    今回のガイドラインには,巻頭の「急性」と「遷延性・慢性」咳嗽の対応フローチャートの注釈部分にメッセージを組み込みました。「第2版」発刊以来,実地医家の先生方の咳嗽に対する診療レベルの上昇を感じていました。そこで,急性咳嗽フローチャートの注1は「遷延性・慢性咳嗽の原因となる疾患の発症早期での来院や,これらの疾患への感染合併等による,咳嗽・喀痰の出現や増悪での来院もある」と,柔軟な急性咳嗽への対応を可能とし,一方で精密検査や専門医への紹介を早めに促しています。

    残り572文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top