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組織学的に形質転換をきたしかけているFLに対する初期治療として何が勧められるか?

No.4995 (2020年01月18日発行) P.53

関 義信 (新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター血液内科教授)

照井康仁 (がん研有明病院血液腫瘍科部長)

登録日: 2020-01-16

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  • 近年濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)の病理診断もgrade 1~3まできちんと診断されるようになりました。特に3aは何で初期治療を行うか迷うところもあります。どのように判断すればよいでしょうか。
    がん研有明病院・照井康仁先生にお聞きしたいと思います。

    【質問者】

    関 義信 新潟大学医歯学総合病院 魚沼地域医療教育センター血液内科教授


    【回答】

    【高腫瘍量の場合,オビヌツズマブ併用ベンダムスチン治療を勧める】

    FLの多くの臨床試験では,grade 3(3aまたは3b)を除いたgrade 1~2の患者で行われてきました。実臨床ではgrade 3bはaggressiveとしてR-CHOP(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)療法が選択されますが,grade 3aはindolentとして治療するかaggressiveとして治療するかは今のところ結論が出ていません。

    しかし,2016年のBloodでEpperlaらが,アントラサイクリンを使用した群,ベンダムスチンを使用した群,リツキシマブのみを使用した群,その他のレジメンを使用した群の4つの群に分類し,FL grade 3aの80例について後方視的に無増悪期間(time to progression:TTP)と全生存期間(overall survival:OS)を解析,報告しました。結果として,TTPもOSも有意な差は認められなかったことから,この解析での症例が少ない,あるいは後方視的解析ではあるものの,FL grade 3aの患者では,副作用の発現などを考慮して,患者に合わせた治療選択をしてもよいということになります。

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