【質問者】
関 義信 新潟大学医歯学総合病院 魚沼地域医療教育センター血液内科教授
【高腫瘍量の場合,オビヌツズマブ併用ベンダムスチン治療を勧める】
FLの多くの臨床試験では,grade 3(3aまたは3b)を除いたgrade 1~2の患者で行われてきました。実臨床ではgrade 3bはaggressiveとしてR-CHOP(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)療法が選択されますが,grade 3aはindolentとして治療するかaggressiveとして治療するかは今のところ結論が出ていません。
しかし,2016年のBloodでEpperlaらが,アントラサイクリンを使用した群,ベンダムスチンを使用した群,リツキシマブのみを使用した群,その他のレジメンを使用した群の4つの群に分類し,FL grade 3aの80例について後方視的に無増悪期間(time to progression:TTP)と全生存期間(overall survival:OS)を解析,報告しました。結果として,TTPもOSも有意な差は認められなかったことから,この解析での症例が少ない,あるいは後方視的解析ではあるものの,FL grade 3aの患者では,副作用の発現などを考慮して,患者に合わせた治療選択をしてもよいということになります。
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