【質問者】
倉井華子 静岡がんセンター感染症内科部長
【ステロイド投与患者や移植後患者など一般的な推奨のほか,個々の患者でリスクを評価し予防実施の可否を検討する】
非HIV患者のPjPはHIV患者のPjPと比較して急性発症・重症化し,予後が悪いことが知られています。この理由のひとつとして,HIV患者では肺胞に侵入してきたP. jiroveciiに対して炎症を引き起こす免疫機構が破綻しているのに対し,非HIV症例では侵入してきたP. jiroveciiに対し高度な免疫反応を惹起してしまうことが考えられています。
このような非HIV患者のPjPは,近年,増加傾向にあるとの報告もあり,予防は重要です。非HIV患者の基礎疾患の約半数を悪性腫瘍が占め,約1/4を炎症性疾患や血管炎などが占めるとの報告があります1)。非HIV患者のPjPにおける代表的なリスク因子はステロイドの長期・大量投与(一般的にはプレドニゾロン換算で16~20mg/日を4週以上など)や急性リンパ性白血病,同種造血幹細胞移植が有名で,現在はこのようなリスク因子を有する症例での予防投与が推奨されています。
残り1,144文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する