【質問者】
川瀬 司 藤田医科大学ばんたね病院脳神経外科准教授
加藤庸子 藤田医科大学ばんたね病院脳神経外科教授
【開頭クリッピングが第一選択とされてきたが,血管内治療(コイル塞栓術)の評価が高まっている】
従来,中大脳動脈瘤の治療では,手術アプローチの容易さからクリッピングが優先されてきました1)~3)。血腫除去とともにクリッピングを行う必要がある,脳内血腫を伴う破裂瘤の場合は特にそうでした。
一方,未破裂瘤の場合,分岐部の片方の枝(主として上行枝)が瘤のネックまたはドームから直接起始しているような広柄瘤が多いため4),分枝温存のためにはネックを形成する高度なクリッピング技術や塞栓術においても様々な工夫を要します。現在,バルーンやステントなどのアシストテクニックやダブルカテーテル法などの様々なadjunctive techniqueが発達し,クリッピングに伴うリスクとほぼ同等の結果が得られるようになってきました5)。
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