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視神経管骨折の診断と治療

No.5021 (2020年07月18日発行) P.53

渡部佳弘  (東京都済生会中央病院耳鼻咽喉科副医長)

猪狩雄一  (川崎市立川崎病院耳鼻咽喉科医長)

登録日: 2020-07-16

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  • 視神経管骨折を伴う外傷性視神経症では,視力予後の改善には視神経管開放術が有用との報告があります。視神経管骨折の診断と治療についてご教示をお願いします。
    川崎市立川崎病院・猪狩雄一先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    渡部佳弘 東京都済生会中央病院耳鼻咽喉科副医長


    【回答】

     【前額部の挫創・打撲の有無,画像検査で診断。視神経管開放術の早期施行が望ましい】

    転倒・転落や交通事故により頭部や顔面を強打した場合,視神経症をきたすことがあり,これを「外傷性視神経症」と言います。外傷性視神経症の原因のひとつに視神経管骨折があり,骨折や血腫による視神経の圧迫や外傷による視神経の挫滅・浮腫などにより視神経に障害が起こります。

    視神経症の診断は,眼科医によって行われます。視神経管骨折は前額部(特に眉毛の外側に近いところ)を強打したときに多いとされ,その部位の挫創や打撲は診断に重要な所見です1)。画像検査では視神経管周囲のCTを撮影し,骨折や狭窄や血腫の有無を確認します。CTで骨折線を認めない場合でも視神経管骨折は否定できません。CTでは骨折線を認めないにもかかわらず,手術時に骨折線が見つかることがあります。

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