ピント合わせのための調節力が低下した状態で,遠くがよく見えるように矯正した眼で,近くにピントが合わない状態である1)。
近方視力の低下を自覚し,調節力の低下を認めれば診断できる2)。
症状と生活環境を考慮して眼鏡の種類を検討する3)。
①眼疲労などの自覚症状がなく,読書時の不快だけであるならば,単焦点の読書眼鏡を処方する。
②PC作業や読書距離で見えづらいという訴えであれば,近近累進屈折力眼鏡を処方する。
③眼精疲労症状があり,近方視作業に苦痛を訴える場合には,遠近累進屈折力眼鏡を処方する。
④遠方を見る機会が少なく,遠近累進屈折力眼鏡では近方視時の視野が狭いことに不満がある場合には,中近累進屈折力眼鏡を処方する。
⑤累進屈折力レンズの視野の歪みに慣れない場合には,二重焦点眼鏡を考慮する。
累進屈折力眼鏡はレンズ銘柄によって視野の歪みが異なるので,試し装用に用いたレンズ銘柄を処方箋に注記することが望ましい。
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