原因不明のため他院神経内科より,当科のセカンドオピニオン外来へ紹介された患者である。受診8カ月前に両足底のしびれと痛みが出現し,徐々に上行して受診時は下腹部に至っている。症状は歩行で悪化するが,立ち止まるだけでは改善せず,坐位による休息を要する。また背臥位より腹臥位で症状が楽になると言う。歩行時は,背筋が伸びている(図1)。受診4カ月前から便秘が出現し,下剤を服用している。腰椎MRIでは明らかな異常を認めない。
既往に頭蓋内硬膜動静脈瘻がある。
身体診察では両下肢に感覚過敏を認めるが,解離性感覚障害はない。腱反射は正常で,バビンスキー反射は陰性。体幹にセンソリーレベルはない。