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全身性強皮症および皮膚筋炎に対する新規治療薬「合成カンナビノイド」

No.5044 (2020年12月26日発行) P.50

白石 研  (愛媛大学皮膚科講師)

登録日: 2020-12-26

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 【動物モデルで炎症・線維化関連因子の減少が報告。グローバルP3試験が進められている】

全身性強皮症は,皮膚および各種臓器の線維化を引き起こす原因不明の疾患である。また,皮膚筋炎は皮膚および筋肉の炎症によって,特徴的な皮膚症状と筋力低下を引き起こす難病である。Corbus社は,これらの疾患に対する新規治療薬として,合成カンナビノイド(一般名:レナバサム)の開発を進めている。

この,合成カンナビノイドは選択的に2型カンナビノイド受容体(CB2)に結合する1)。CB2は,免疫細胞,線維芽細胞,筋肉細胞,内皮系細胞に発現しており,合成カンナビノイドはCB2を介して,炎症収束作用を有するメディエーターの産生を誘導することで,免疫抑制を示さず,炎症状態を正常へと導く1)~3)。また,線維芽細胞に直接作用し,細胞外マトリックスの産生を抑制することで,組織の線維化を抑制するとされる2)。実際に,動物モデルで炎症と線維化に関わる因子を減少させることが報告されている2)3)

現在,全身性強皮症,皮膚筋炎では,グローバルP3試験が進められているようである1)。画期的な新規治療薬になりうるのか,今後の動きが注目される。

【文献】

1) Burstein SH:Pharmacol Res Perspect. 2018; 6(2):e00394.

2) Lucattelli M, et al:Respir Res. 2016;17(1):49.

3) Robinson ES, et al:J Invest Dermatol. 2017; 137(11):2445-7.

【解説】

白石 研 愛媛大学皮膚科講師

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