No.4725 (2014年11月15日発行) P.18
大嶋健三郎 (あそかビハーラ病院院長)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-03-17
あそかビハーラ病院は、日本で仏教が単独でホスピスを作った最初の施設。浄土真宗本願寺派が京都府城陽市に有床診として立ち上げ、今年4月、病院の認可を受けた。大嶋さんは一昨年、院長に就任。日々終末期の患者・家族と向き合い、緩和ケアを行っている。
病院には「ビハーラ僧」と呼ばれる有髪・洋服姿の僧侶が3名常駐している。平屋建ての館内には香が焚かれ、朝夕ホールから響く読経に患者・家族が集まってくる。「元々宗教と医療は密接なもの。明治以前の僧侶は、今で言うプライマリケアも担っていたと言われます。初め驚いていた患者さんたちも、死者の弔い方として仏教が染み付いているので、ごく自然に受け入れるようになるんです」
大嶋さんの医師としての原点は、大学5、6年の2年間だと言う。うつ病と頭頸部癌による神経障害性疼痛に苦しむ母親と向き合いながら、臨床実習で患者から学ぶ日々に、「人のために医者をする」気持ちが固まった。
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