【質問者】
山本剛伸 川崎医科大学総合医療センター皮膚科准教授
【皮膚筋炎は,筋炎特異的自己抗体ごとに臨床症状の特徴がある】
筋炎特異的自己抗体は,多くは皮膚筋炎の症例で検出されます。抗体検査は,抗体ごとのサブグループにより症状の組み合わせや予後が予測できるため重要です。さらには検査結果が出る前から当たりを付けていくことが,迅速な治療開始に結び付きます。
当たりを付けるポイントは3つあります。1つ目は抗核抗体検査結果,2つ目は皮膚症状,3つ目はその他の臨床症状,です。
「膠原病」でまず行うのが抗核抗体検査で,抗体価が高い順に抗Mi2b抗体,抗SAE抗体(保険適用外)が考えられます。抗体価が低い場合には抗TI F1γ抗体,抗NXP2抗体(保険適用外)を疑います。抗核抗体陰性で,抗細胞質抗体がみられた場合には,抗Jo-1抗体を含む抗ARS抗体が優先されます。また,特に小児皮膚筋炎では抗TIF1γ抗体,抗NXP2抗体の頻度が高い点も参考になります。
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