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工業・家庭用品等による中毒[私の治療]

登録日: 2021.05.03 最終更新日: 2026.02.21

志賀光二郎 (新百合ヶ丘総合病院呼吸器外科医長/感染対策室室長,名古屋産業大学客員教授(臨床医学))

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急性中毒における治療の原則は,第一に医療者の安全確保が重要である。手袋,ゴーグル,マスクおよびガウンをはじめとする個人防護具を装着し,製品・薬物への曝露を避け,患者の体液や吐物への接触を予防する。次に患者の治療として,バイタルサインの安定化,吸収の阻害,排泄の促進,解毒薬・拮抗薬の投与を考える。

▶病歴聴取のポイント

①製品・薬物の種類,量,摂取時間
②発見時の状況
③平時の使用状況
職場をはじめとする現場では同僚などから,家庭では家族からも聴取する。

▶バイタルサイン・身体診察のポイント

バイタルサインの把握する。不安定な場合は高次医療機関への転院搬送を考慮する。
特に呼吸・循環が不安定な場合,また意識障害が高度な場合には気管挿管を行っておく。
末梢ラインを確保し,心電図モニターおよび経皮的酸素飽和度(SpO2)モニターを装着する。必要に応じ酸素を投与する。
症状や身体所見は非定型的であることが多い。頭から爪先まで入念に身体診察を行う。一方で,たとえばアセトンでは芳香臭,ニトロベンゼンでは靴磨き臭,など,特有の臭いを発する中毒物質があるので,臭いにも注意して診察する。

【検査】

血液検査,尿検査,心電図検査,胸部X線撮影を行う。たとえば,フッ化水素中毒では低カルシウム血症を生じうるので,血液検査や心電図検査が有用である。尿を採取することで中毒原因物質を推定・特定できる場合もある。化学性肺炎を考慮し,胸部X線を撮影する。
意識障害や痙攣がみられる場合には,脳卒中をはじめとする内因性疾患との鑑別のために頭部CTを施行する。


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