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【一週一話】糖尿病患者における表皮内神経線維の痛覚閾値(PINT)測定

No.4747 (2015年04月18日発行) P.49

馬場正之 (青森県立中央病院神経内科 医療顧問)

鈴木千恵子 (青森県立中央病院神経内科)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-21

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  • 表皮内神経線維(intra-epidermal nerve fibers:IENF)は,皮膚基底膜を貫通して表皮に分布する感覚神経線維であるAδ線維とC線維の最末端部である。生検で簡単に得られる皮膚組織で可視化できるため,末梢神経障害診断において有用性が高い。特に糖尿病神経障害(diabetic polyneuropathy:DPN)では障害度の病理学的評価法として期待されている。しかし,皮膚と言えども生検は侵襲的である。

    そこで,筆者らはIENF機能が痛覚受容にあることに着目し,基底膜を貫通しない微小針電極を用いることで,IENFの痛覚閾値(pain-threshold of intra-epidermal nerve terminal:PINT)を測定できるのではないかと考え,生理学研究所で開発された表皮内神経刺激電極を用いてPINT検査法の開発を試みた。

    PINT検査には日本光電製PNS-7000微小電流刺激装置と微小同心針電極を用いる。電極は直径1.2mmの外套の中心に微小針電極が0.1 mm突出した構造になっており,皮膚に貼付すると中心の針が表皮内に0.1mm食い込む。しかし,針先は真皮に達しないため痛み感はまったくなく,出血もない。針部を陰極,外套を陽極として微弱電流を流すと,表皮内に形成された電流サーキットが表皮内Aδ線維終末を刺激し,針刺し感を惹起する。

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