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多発性骨髄腫に対する自家移植の位置づけは?

No.5076 (2021年08月07日発行) P.42

前田嘉信 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科教授)

角南一貴 (岡山医療センター臨床研究部長)

登録日: 2021-08-10

最終更新日: 2021-08-05

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  • 多発性骨髄腫の治療はプロテアソーム阻害薬(proteasome inhibitor:PI),免疫調節薬(immunomodulatory drug:IMiD)および抗体医薬(antibody drug:Ab)の登場で,飛躍的に向上しました。今までは,若年者の初発未治療多発性骨髄腫に対してはupfrontに自家移植併用大量化学療法(high-dose chemotherapy:HDC/autologous stem cell transplantation:ASCT)を行うことが推奨されていましたが,前述の薬剤の登場によって治療成績はほとんど変わらなくなってきておりupfrontの自家移植治療の必要性が疑問視されています。現状の治療ストラテジーについて,ご教示をお願いします。
    岡山医療センター・角南一貴先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    前田嘉信 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科教授


    【回答】

    【現状ではupfrontでの自家移植併用大量化学療法が推奨される】

    若年者の初発未治療多発性骨髄腫に対する治療は,新規薬剤であるPI,IMiDおよびAbが登場する前はupfrontでのHDC/ASCTが推奨されていました。その後,PI,IMiDが登場し,その優れた治療成績からupfrontでのHDC/ASCTの必要性が疑問視され,新規薬剤単独療法と新規薬剤+upfrontのHDC/ASCTを比較する臨床試験が行われました。イタリアとイスラエルが行った臨床試験(RV-MM-PI-209)1)およびイタリア,チェコ,オーストラリアが行った臨床試験(EMN-441)2)の報告では,無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)ともにupfrontのHDC/ASCTのほうが良好でした。ところが,フランス,ベルギー,スイスで行われた臨床試験(IFM 2009)3)および欧州骨髄腫ネットワークで行われた臨床試験(EMN02/HO95)4)の報告では,PFSはupfrontのHDC/ASCTのほうが良好でしたが,OSに関しては差がみられませんでした。

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