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加齢黄斑変性の治療

No.5079 (2021年08月28日発行) P.48

松宮 亘 (神戸大学眼科)

登録日: 2021-08-26

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【滲出型加齢黄斑変性のトピックス】

加齢黄斑変性(AMD)は先進国における成人の失明原因の第1位であり,わが国でも第4位を占める重要な疾患である。特に滲出型AMDは,脈絡膜新生血管の急速な進行と慢性的な黄斑障害に伴って視力低下をきたす難治の進行性疾患である。

しかし,10年前の抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬硝子体注射の登場により視力維持・改善が目標になり,AMD診療はパラダイムシフトを迎えた。ただし,長期経過において,増悪時に再投与を行う必要時投与法の成績が不良であることが示され,現在では予防的に再投与を行うtreat and extend法が積極的に試みられている。また,治療法については,AMDの一亜型であるポリープ状脈絡膜血管症に対する抗VEGF薬+光線力学療法の併用療法の有効性が報告され1),高い病変退縮効果や治療回数軽減が期待されている。

さらに,近年の画像技術の進歩により,脈絡膜形態変化の病態への関与が注目されている。脈絡膜肥厚や血管拡張等の形態変化を伴う脈絡膜新生血管症は,pachychoroid neovasculopathy2)として,従来の滲出型AMDと異なる疾患概念として提唱されている。
いまだAMD診療において解決すべき課題は多く,新しい治療法や疾患概念を反映した長期管理指針の策定が待たれる。

【文献】

1)Koh A, et al:JAMA Ophthalmol. 2017;135(11): 1206-13.

2)Pang CE, et al:Retina. 2015;35(1):1-9.

【解説】

松宮 亘 神戸大学眼科

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