日本医師会の中川俊男会長は9月28日、厚労省が同日決定した「医療機関等における感染防止対策の継続支援」と「新型コロナ患者診療に対する診療報酬上の特例的対応の拡充」を高く評価する見解を会長名でまとめ、公表した。
感染防止対策の継続支援と診療報酬の特例拡充は、手厚い感染症対策を講じる医療機関等を対象に時限的措置として導入された診療報酬等の上乗せ評価(初・再診料等に対する「医科外来等感染症対策実施加算」5点、入院基本料等に対する「入院感染症対策実施加算」1日につき10点など)が9月末で終了するのを受け、決まったもの。
具体的には、10~12月にかかる感染防止対策に要する費用を補助金で継続支援(病院・有床診療所:10万円上限、無床診療所:8万円上限、薬局・訪問看護事業者・助産所:6万円上限など)するとともに、診療報酬上の特例的対応として①院内トリアージ実施料の特例評価の引上げ(診療・検査医療機関に限定、自治体HPで公表する場合300点→550点)、②コロナ患者への外来の特例拡充(ロナプリーブ投与の場合950点→2850点、その他の場合950点)、③自宅・宿泊療養者への緊急の往診の特例拡充(ロナプリーブ投与の場合950点→4750点、その他の場合950点→2850点)などを実施する。
田村憲久厚労相は9月24日の閣議後会見で、9月末で時限的措置を予定通り打ち切る考えを示した上で、実費補助への切り替えやコロナ患者診療に対する診療報酬の拡充を検討していると述べており、政府内の調整を経て具体的な内容が決まった格好だ。
この決定を受け、中川会長は「見解」の中で「田村厚労相をはじめ厚労省の必死の調整もあり、今回の拡充に至った」と田村厚労相らに謝意を表するともに、「補助金申請手続きの簡素化、交付の迅速化」を要望。
「医療機関がより一層連携し新型コロナウイルス感染症への対応を進めていく体制を構築していくために、必要な支援が盛り込まれた」と支援の内容を高く評価した。
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