6月の日本医師会定例代議員会で、埼玉県医師会から常任理事に就任。産業保健、環境保健、共同利用施設、国民生活安全対策を担当する。
県医師会の産業保健委員会委員長、埼玉産業保健総合支援センターの運営主幹などを務める松本さんにとって、産業医のスキルアップは馴染み深い仕事だ。「メンタルヘルス不調への対応、化学物質のリスク評価、治療と就業の両立支援など、産業医の役割は大きく変化しています。小規模事業所や非正規雇用者への対応、専門医との連携を含め、実践的な講習の場を提供したいと思います」
共同利用施設については、「地域の医療・介護・福祉の連携の拠点となる施設づくりを手助けしたい」と話す。松本さんが大宮医師会の副会長時代、医師会病院が公設民営の医療センターへ建て替わり、二次救急を中心に担うことになった。松本さんは一次救急を途切れさせまいと、別の医療センターの外来を借りて医師会員がそこに出向く方式を提唱し、休日夜間を含めた診療体制を確保。これは後に「埼玉方式」と呼ばれるようになった。
副担当である糖尿病の重症化予防への思い入れも強い。埼玉県は全国に先駆けて人工透析への移行防止を掲げ、ハイリスク者への受診勧奨に着手。松本さんは県医師会、県、国保連の三者の情報共有体制の構築に関わり、これも「埼玉方式」として全国から注目を浴びているという。
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