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ベネトクラクス+アザシチジンによる治療の適応は?

No.5105 (2022年02月26日発行) P.55

半田 寛 (群馬大学大学院医学系研究科血液内科学分野 准教授)

山内高弘 (福井大学医学部血液・腫瘍内科教授)

登録日: 2022-02-25

最終更新日: 2022-02-21

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  • 最近,ベネトクラクス+アザシチジンによる急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)治療が承認されましたが,どのような患者が最も良い適応になるでしょうか。骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)から進行したいわゆるovert leukemiaや形態異常や複雑核型染色体異常を伴うAML-MRC(myelodysplasia-related changes)への有効性は通常化学療法と比較していかがでしょうか。
    福井大学・山内高弘先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    半田 寛 群馬大学大学院医学系研究科血液内科学分野 准教授


    【回答】

    【ベネトクラクス+アザシチジン併用療法は75歳以上の高齢者初発AMLに対して選択肢の最上位にくる治療法のひとつと考えられる】

    シタラビン誘導体であるアザシチジンは脱メチル化作用を有する抗腫瘍薬で,本邦において2011年にMDSに対する治療薬として承認,発売されました。ベネトクラクスは抗アポトーシス蛋白Bcl-2阻害薬で,2019年慢性リンパ性白血病に対して承認,発売されました。その後AMLに対して,アザシチジンでは臨床試験AZA-AML- 0011),ベネトクラクスではアザシチジンとの併用試験VIALE-A2),少量シタラビンとの併用試験VI ALE-Cが行われました3)。それら臨床試験の結果に基づきアザシチジンとベネトクラクスは2021年3月23日同日にAMLに適応を追加取得しました。

    VIALE-A試験では,強力な寛解導入療法が適応とならない初発AML患者(75歳以上,あるいは心・肝・腎・肺機能低下)を対象にベネトクラクス(400mg/日)+アザシチジン(75mg/m2 7日間)(28日ごと)とアザシチジン単独(75mg/m2 7日間)(28日ごと)が比較検討されました。併用群での複合寛解率(完全寛解+末梢血回復の不十分な寛解)と全生存期間中央値は66.4%,14.7カ月,アザシチジン単独群ではそれぞれ28.3%,9.6カ月でした。

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