【質問者】
半田 寛 群馬大学大学院医学系研究科血液内科学分野 准教授
【ベネトクラクス+アザシチジン併用療法は75歳以上の高齢者初発AMLに対して選択肢の最上位にくる治療法のひとつと考えられる】
シタラビン誘導体であるアザシチジンは脱メチル化作用を有する抗腫瘍薬で,本邦において2011年にMDSに対する治療薬として承認,発売されました。ベネトクラクスは抗アポトーシス蛋白Bcl-2阻害薬で,2019年慢性リンパ性白血病に対して承認,発売されました。その後AMLに対して,アザシチジンでは臨床試験AZA-AML- 0011),ベネトクラクスではアザシチジンとの併用試験VIALE-A2),少量シタラビンとの併用試験VI ALE-Cが行われました3)。それら臨床試験の結果に基づきアザシチジンとベネトクラクスは2021年3月23日同日にAMLに適応を追加取得しました。
VIALE-A試験では,強力な寛解導入療法が適応とならない初発AML患者(75歳以上,あるいは心・肝・腎・肺機能低下)を対象にベネトクラクス(400mg/日)+アザシチジン(75mg/m2 7日間)(28日ごと)とアザシチジン単独(75mg/m2 7日間)(28日ごと)が比較検討されました。併用群での複合寛解率(完全寛解+末梢血回復の不十分な寛解)と全生存期間中央値は66.4%,14.7カ月,アザシチジン単独群ではそれぞれ28.3%,9.6カ月でした。
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