【質問者】
神波大己 熊本大学大学院生命科学研究部 泌尿器科学講座教授
【ARATとドセタキセルと局所放射線治療を病態に応じて選択する】
mCSPCに対する初期治療として,アンドロゲン除去療法(androgen deprivation therapy:ADT)にドセタキセル(DOC)を併用する,いわゆるupfront DOCを行うことにより,特に転移量の多い患者において予後が延長すると報告されました。その後,ADTにアンドロゲン受容体経路標的治療薬(androgen receptor-axis- targeted therapy:ARAT)であるアビラテロン,エンザルタミド,アパルタミドのいずれかを併用するupfront ARATにより,転移量によらず予後が延長することが示されました。一方,ADTに局所放射線治療(radiation therapy:RT)を併用する試験では,転移量の少ない患者においてのみ予後延長効果が示されました。これらの治療をどのような患者に,どのように組み合わせるべきか,最新のトピックスと,それらに基づく私見を示します。
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