【質問者】
山田茂樹 滋賀医科大学脳神経外科学講座病院講師
【対象患者の適切な選択と専門医の確保が重要である】
2015年のpivotal studies以降,脳血栓回収療法は拡大の一途をたどっています。特に最終健常確認時間から6時間以内の内頸動脈,中大脳動脈近位部閉塞では必須の治療です。とはいえ,適応が拡大すると同時に実践面で注意すべきことも増えています。
第一に,最終健常確認時間から6時間以上の場合です。「脳卒中治療ガイドライン2021」では16〜24時間以内でも推奨度A〜Bが与えられています。もととなった研究では全自動の急性期脳梗塞・灌流評価ソフトであるRAPIDにより適応が判断されていましたが,RAPIDは日本では普及しておらず,症例ごとに適応を慎重に検討する必要があります。しかし,FLAIR(fluid-attenuated inversion recovery)はtissue clockとなりうる,という報告1)もあり,今後はMRI画像での診断が根拠となるかもしれません。
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