肺がんの中で最も患者数が多く増加しているのが肺腺がんだ。国立がん研究センター、理化学研究所などの共同研究グループが、そのなかでも日本人に多いEGFR遺伝子変異陽性肺腺がん(EGFR陽性肺腺がん)の罹りやすさに関わる6つの遺伝子領域を解明。8月9日、英科学誌『Nature Communications』に発表した。
研究では、EGFR陽性肺腺がんの患者3173例と、がんではない1万5158例の血液DNAを用いて、全ゲノム領域70万個の遺伝子多型を比較解析した。その結果、EGFR陽性肺腺がんになるリスクは、TERT、HLA-DPB1、BTNL2、TP63、BPTF、FOXP4の6つの遺伝子領域の個人差によって、それぞれ1.19~1.42倍高まることが分かった(図1)。日本人と米国人で、図2のようにEGFR陽性肺腺がんの割合が異なるのは、遺伝子多型の差が関わる可能性が高い。
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