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(2)抗癌剤による白血球減少・感染対策 [特集:抗癌剤の副作用対策]

No.4823 (2016年10月01日発行) P.36

横山雄章 (日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科)

登録日: 2016-10-03

最終更新日: 2016-10-06

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  • 白血球減少・感染対策の正しい知識は,化学療法を行う医師にとって必須である

    発熱性好中球減少症(febrile neutropenia:FN)は,高リスクと低リスクに分類され,リスク別の初期対応がとられる。高リスクの場合は,入院での抗菌薬静脈内投与が必要となる。低リスクの場合は、外来での抗菌薬内服治療によりマネジメント可能である

    FNの予防方法としては,予防的抗菌薬投与とGCSF製剤の使用がある

    FNにおけるGCSF製剤の使用は予防的投与と治療的投与に分類されるが,治療的投与はエビデンスに乏しいため,一律に使用することは推奨されていない

    1. 白血球減少・感染対策の必要性

    白血球減少,特に好中球減少は,化学療法施行時に最もよくみられる副作用のひとつである。時に重篤な発熱性好中球減少をきたすため,化学療法に携わる者であれば,その対応に追われたという経験が,誰にでもあるだろう。
    確かに化学療法は,その副作用である好中球減少とそれに伴う感染症によって,逆に患者の体調を著しく損ねてしまう可能性がある。しかしその一方で,好中球減少を恐れるあまり抗癌剤を減量し,本来期待できる効果を減じてしまうことや,患者に不安を募らせることで日常生活を制限させてしまうことも望ましくない。化学療法を行う医師は,白血球減少や感染への対策に関する正しい知識を取り入れ,マネージメントすることが必要である。

    2. 化学療法における発熱性好中球減少症(FN)

    FNとは,①好中球絶対数(ANC)が500/μL未満,または,1000/μL未満で48時間以内に500/μL未満まで減少すると予測される状態,かつ②腋窩温37.5℃以上(口腔内温38℃以上)の発熱を生じた場合,を言う1)
    主要な化学療法におけるGrade 3以上の好中球減少の発生頻度とFNの割合を表1に示す。化学療法の種類によって様々ではあるが,好中球減少はある一定の確率で起こる副作用である。そして,Grade 3以上の好中球減少を起こした患者の中でも,FNを発症する患者は一部であることが示されている。

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