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コロナ禍による在宅勤務で特徴的なメンタルヘルス不全について

No.5124 (2022年07月09日発行) P.58

勝木美佐子 (株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 代表取締役)

奥田弘美 (精神科医・産業医(労働衛生コンサルタント)/ 株式会社朗らかLabo代表取締役)

登録日: 2022-07-11

最終更新日: 2022-07-05

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  • コロナ禍で在宅勤務が増えてきましたが,在宅勤務者に特徴的なメンタルヘルス不全の症状はありますか? また,その予防法がありましたら,ご教示下さい。
    精神科医・産業医(労働衛生コンサルタント)である奥田弘美先生(株式会社朗らかLabo代表取締役)にご解説をお願いします。

    【質問者】

    勝木美佐子 株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 代表取締役


    【回答】

     【在宅勤務では,過緊張の悪化やコミュニケーションの希薄化,孤独ストレスに注意】

    私は首都圏のオフィス系企業を中心に15社ほど嘱託産業医を担当していますが,リモートワーク主体の労働者に特徴的なメンタル不調は,確かに発生していると感じています。

    そのひとつは,「ONとOFFの消失による交感神経の過緊張状態の悪化」です。リモートワークが主体となったことで,本来はリラックスできるはずの自宅が職場と化してしまいました。また通勤という軽い有酸素運動の機会が奪われてしまったことで,気分転換がうまくできなくなり,仕事中の緊張状態やストレスが継続しやすくなっています。たとえば過緊張が高じて睡眠障害と抑うつ状態を発症したITエンジニアは,「今までは残業が長引いても夜は家に帰りリラックスできていたし,通勤帰りに本屋に寄ったり仲間と会食したりして気分転換もしやすかった。しかしリモートワークになり,無制限に家で仕事ができてしまう。家からほとんど出ない日が何週間も続き,しだいに仕事のことが頭から離れなくなり眠れなくなった」と話していました。

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