大阪市内で2027年4月に開催される第32回日本医学会総会の記者発表会が2月21日、オンライン形式で開かれた。会頭を務める澤芳樹氏(阪大院特任教授/大阪けいさつ病院院長)は、書道家紫舟によるメインテーマの題字を用いたポスター(写真)を披露し、「(メインテーマである)『医学のレジリエンス』を各方面に訴えていきたい」と述べた。
会見で澤氏は「レジリエンスは私自身の人生のキーワード。コロナパンデミックを乗り越えた今、レジリエンスすなわち『危機を生き抜く知』の視座から、より良き未来の選択のためにたくさんの議論をさせていただきたい」とメインテーマに込めた思いを語った。
シンボルマーク(写真)については、「レジリエンス」という言葉が持つ「復元力」や「しなやかさ」を表すため、「人が集い合いながら、起き上がり小法師のように決して倒れない、ハートフルな状況が永遠に人類を救っていく」イメージのマークを採用したと述べた。
学術講演の準備状況については、元京大総長の山極壽一氏(総合地球環境学研究所所長)、ノーベル賞医学者の山中伸弥氏(京大iPS細胞研究所名誉所長)、アンドロイド研究の世界的権威である石黒浩氏(阪大院基礎工学研究科栄誉教授)、建築科の安藤忠雄氏らによる特別講演のほか、会頭企画、副会頭企画による多数のセッションを検討していると説明した。
澤氏は、産業医研修セッションを強化するため、組織内に産業保健委員会を新設したとし、「産業医の研修単位所得がしやすいような工夫を考えている。サテライト会場の設置も検討している」と述べた。
ポスターについては「各学会のポスターの中でも最も目立つポスターをと考えて、2種類のポスターを準備した」とし、「(開催までの2年間)本格的な活動、準備を進めて、2027年4月には先生方の期待に応えられるような学術集会、市民展示を開催したい」と意気込みを示した。
総会への参加登録の受付は2026年10月1日より開始される予定。
書道家紫舟による題字を用いた2種類のポスター
越後新潟の「三角だるま」も参考に作られたシンボルマーク
第32回日本医学会総会2027の概要
【会期】
学術講演会:2027年4月23日(金)~4月25日(日)
学術展示:2027年4月22日(木)~4月25日(日)
一般(市民)展示:2027年3月20日(土)~3月28日(日)
【会場】
学術講演会・学術展示:大阪市北区 中之島エリア(大阪国際会議場、リーガロイヤルホテル大阪 ほか)
一般(市民)展示:大阪市北区 うめきたエリア
【メインテーマ】
医学のレジリエンス~みらいへの挑戦と貢献~ 人生100年時代をどう生きるか
Resilience in Healthcare:Challenges and Contributions to the Future
【公式サイト】
https://isoukai2027.jp/