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脂質異常症を合併したCKD患者への介入【保存期CKDにはスタチン単独,あるいはスタチン・エゼチミブ併用を推奨】

No.4823 (2016年10月01日発行) P.60

庄司哲雄 (大阪市立大学大学院医学研究科 血管病態制御学准教授)

登録日: 2016-10-04

最終更新日: 2016-10-06

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  • 脂質異常症は慢性腎臓病(chronic kid­ney disease:CKD)患者の生命予後や腎予後に影響することが報告されています。どのような薬剤を用いて,どの検査値を,どの程度まで改善することが推奨されるのか,大阪市立大学・庄司哲雄先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    常喜信彦 東邦大学医療センター大橋病院腎臓内科 診療部長/准教授


    【回答】

    CKD患者における脂質異常症に対する薬物療法は,心血管疾患(cardiovascular disease:CVD),特に粥状動脈硬化性のCVD(ather­osclerotic CVD:ASCVD)の予防,および腎保護の観点から,その意義が検討され,日本腎臓学会(Japanese Society of Nephrology:JSN)からは「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」,Kidney Disease Improving Global Outcomes(KDIGO)からは国際ガイドラインとして「慢性腎臓病の脂質管理のためのKDIGO診療ガイドライン」が発表されています。

    ASCVD予防の観点から,これらのガイドラインで共通していることは,未透析CKD症例に対してはスタチン単独,あるいはスタチン・エゼチミブ併用による薬物療法を推奨している点です。JSNでは脂質管理目標をLDL-C<120mg/dLあるいはnon-HDL-C<150mg/dLを掲げています(treat-to-target方式)。一方,KDIGOは管理目標値は設定せずに,したがって脂質追跡測定も原則として求めないという内容です(fire-and-forget方式)。

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