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ふらつきと発熱で来院した67歳男性[鑑別診断塾入門(32)]

No.5126 (2022年07月23日発行) P.7

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2022-07-26

最終更新日: 2022-07-22

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【現病歴】X-11日,ふらつくようになり,転倒して左眼の上を打撲した。X-10日,臥床がちになり,這って移動していた。X-0日,ほとんど動けなくなり,体熱感があり38℃あったため来院。
<追加の情報>
当初,左足を多少引きずっていた。左手で茶碗が持ちにくかった。鼻汁・鼻閉感,耳閉感,歯痛,嘔気,悪寒,咳,痰,頭痛,頻尿,腹痛なし。排便あり。X-11日より以前に転倒はなし。進行性。
【既往歴】X-20年,高血圧。X-10年,左不全麻痺で発症した脳幹梗塞(後遺症なく軽快)。X-9年,大腸ポリープでEMR施行。X-5年,左C6神経根症。GERD,鉄欠乏性貧血。DMなし。
【内服薬】クロピドグレル75mg,オルメサルタン20mg,エソメプラゾール20mg,クエン酸第一鉄ナトリウム100mg
【生活歴】飲酒なし。喫煙10本/日×46年。最近の歯科治療歴なし。
【バイタルサイン】BP130/70mmHg,PR 88/min,RR 18/min,BT 38.6℃,SpO2 98%(RA),意識清明
【身体所見】頭頸部:項部硬直なし。左眼瞼腫脹あり。胸部:心雑音なし。腹部:直腸診で黒緑色便の付着あり。皮膚:Osler結節,Janeway病変なし。ばち指あり。神経:左睫毛徴候あり,バレー徴候-/+,Mingazzini徴候-/+,MMT上肢5/4,下肢5/4(新たに出現),左Babinski徴候陽性。

 キーワード 
・10日の経過で進行性
・発熱
・顔面を含む左片麻痺(新たに出現)
・心雑音なし
・ばち指
・Osler結節,Janeway病変なし

考えられる診断は?

A. リステリア髄膜炎
B. 脳膿瘍
C. 転移性脳腫瘍
D. 硬膜下血腫
E. アテローム血栓性脳梗塞

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