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頭蓋底腫瘍に対する開頭手術と経鼻内視鏡手術の使いわけについて

No.5127 (2022年07月30日発行) P.53

竹内和人 (名古屋大学医学部附属病院脳神経外科 病院講師)

阿久津博義 (獨協医科大学医学部脳神経外科学 主任教授)

登録日: 2022-07-29

最終更新日: 2022-07-26

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  • 頭蓋底腫瘍に対する外科治療は最も難易度が高いと思われます。近年,経鼻内視鏡手術の進歩により開頭手術に比較して低侵襲に治療が可能になったと考えられます。しかしながら,現在においても開頭手術は一定程度必要であると認識しています。
    これらの術式の使いわけについて,獨協医科大学・阿久津博義先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    竹内和人 名古屋大学医学部附属病院脳神経外科 病院講師


    【回答】

     【正中部頭蓋底腫瘍でも硬膜内腫瘍の内頸動脈・脳神経の外側進展例では開頭手術を推奨】

    近年,正中部頭蓋底腫瘍に対する経鼻内視鏡手術の適応が拡大しました。Willis動脈輪・脳神経の内側病変は経鼻内視鏡手術の適応になりえますが,腫瘍の進展範囲や硬膜内か外か,また組織型によっても開頭手術と経鼻内視鏡手術の優位性が異なります。さらに,術式選択の明確なエビデンスはなく,術者の経験や嗜好にも左右されます。以下は文献的な考察に私見を加えたものです。

    頭蓋咽頭腫に関しては視交叉下面や下垂体茎,両側視床下部を直視下に観察できることから,ほとんどの症例が経鼻内視鏡手術で対応可能であり,最近の欧州脳神経外科学会のコンセンサスでも経鼻内視鏡手術が勧められています1)

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